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私的なお話。興味があればどうぞ!

クックパッド株式会社を卒業しました

私事ですが、このたびクックパッド株式会社を退職しました。

長いエントリーなので、忙しい人向けに10秒で分かるだいちゃんの近況説明。

・クックパッドを辞めた

スマホ家庭教師「mana.bo」という教育系ベンチャーの経営に参加

2011年の夏に、30歳を機に23歳の時に創業した会社の役員を降り、保有株式を売却したお金の入金を待ちつつも十分な蓄えもあったので、B2Bのビジネスは経験したし、次は何かコンシューマ向けのサービスでもやりたいなぁとフラフラしている時に、ささたつさんからランチのお誘いを受けたのがクックパッドとの関わりの始まりでした。

当時、Ruby/Railsに興味が無かった私は、エンジニアの太田さんと面識があったぐらいで、クックパッドという会社は社名とレシピサイトを運営しているぐらいの知識しかありませんでしたが、自分がやりたかったコンシューマ向けのサービスを提供していて勉強になることもあるかもしれないし、中の人に合うのだからと、事業内容の勉強をするために有価証券報告書とIRのページを読んでみるとソーシャルゲーム会社のような超絶な伸びがあった訳では無いですが、会員事業(月額課金)の売上が50%を超えており、経常利益率も50%、しかもその売上が止まっていないというのは私の興味を引くのに十分な数字でした。

私が以前やっていたビジネスは対企業向けではあったものの、自分自身でストック型(月会費型)ビジネスの力強さ(損益分岐点を超えると、どんどん利益が上積みされていく)を経験していたので、それをコンシューマ向けに展開して大きく成長させている人達がどのような考え方で、どのように開発を進めているのかに強く関心が湧きました。

そんなこんなで、2012年の初日にクックパッドに入社することになったのですが、年末を挟むという事もあって、引っ越し作業に難航し、人事に入社日を遅らせて欲しいという話をしたのですが、マンスリーマンションを手配するので、急いで来て欲しいという事で、2012年1月2日に寒い中スーツケース一つで上京して来たのが今でも懐かしいです。

Railsを知らないどころか、Rubyもまったく知らない、CSSも書けないという状態でエンジニアとしてはたいして役には立てませんでしたが、クックパッドでは1年半という短い期間にも関わらず、『レシピストア(レシピの有料販売サービス)』と『クックステップ(料理レッスン予約サイト)』の立ち上げに関わらせて頂きました。幸か不幸かどちらのプロダクトもコードを書くのは自分一人という時間を過ごさせて頂いた事もあり、なんとかWebエンジニアの最下層に位置するぐらいにはRubyが書けるようになったと思います。

エンジニアはもちろんの事、エンジニア以外のスタッフも非常に優秀で、そのような人達と僅かな時間ですが関われた事は、大変幸せでした。また、フリーフード/フリードリンク、さらには社内の食材は食べ放題の素晴らしさは入社後半年で10kg太った事から理解してもらえると思います。(その後、クッキーやビスケットなどの脂質やカロリーの高いお菓子は控えて、煮干しや昆布などのお菓子に切り替える事で徐々に体重を落としました)

私がクックパッドで学んだ事の中で、強く感銘を受け今後も実践して行きたいと思うのが以下の2点です。

・無料でサービスを公開すれば勝手に流行る(ユーザに使ってもらえる)と思いがちだが、お金を払ってでも使いたいサービスが無料だから使ってもらえる(ものづくり三原則のサービスに値段をつける

1行のログの向こうには1人のユーザが居る。1行のエラーログの向こうには1つのガッカリ体験がある

クックパッドという会社は、社内イベントが沢山あり非常に社員同士が仲良く、ワークライフバランスをキチンと保っている社員も多く、給料もそこそこ高いらしい(参考:クックパッド社員の財力やばい)のでサラリーマンで居続けるなら、労働環境としては最上位クラスでは無いかと思います。サービスの特性上、ピークタイムが日中というのも大きいと思います。

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社内で行われた鍋パーティ準備の様子(わざわざコタツをレンタルした)

また、優秀で独立心の強い社員が多く、強くコレをやりたいと言えば通る会社なので、将来起業をしたいと考えている人にとっては、色々勉強できる環境だと思います。興味がある人はこの辺りを読んでみてください。

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私が、次に何をやるかと言うと、mana.boという教育系プラットフォームを作っているベンチャーの経営に参加します。当面のミッションとしては、現行のシステムとビジネスがスケールするように仕上げること、経営陣を含む全スタッフのメンタリング、そして中長期のビジネスプランを練るという感じです。

どんなサービスをやっているのかは、動画を見ていただくのが良いと思います。

私の知り合いはあれっ?と思われるかもしれません。実は、以前経営していた会社で、2009年に6000万円で子会社を作り、パソコンを使った遠隔指導システムのビジネスをやった事があります。一般向けのシステムではないので、みなさん知らないと思いますが、大手SIerにOEM供給したり、学校や塾に収めたりしていました。

そんな感じで、もともと遠隔システムのビジネスをやっていた経験から、爆発的に売れるかどうかは分かりませんが、会社が回るぐらい稼ぐのはそんなに難しくないと考えており、経営陣には以前から「絶対に成功できるから」と言い続けてきましたが、「そんなに成功できるって言うなら一緒にやりましょうよ!」という当然の反応をもらい、最初は断っていたものの、こちらが提示した条件をすべて飲んでもらった事もありジョインすることにしました。

mana.boがイケると考えた理由は、

・スマホという、すぐに操作できる(常に電源が入っている)端末をターゲットにしていること(システムはPCでも動くが、あくまで「スマホ家庭教師」として推している)

スマホは、十分に高速な3G回線に常時つながっており、簡単なネットサーフィンやTwitter/FacebookなどのライトユースではPCを開く前にスマホで済ませてしまう人も多いと思います。特に若い人ほどこの傾向は強く、一日中スマホを触っている高校生/大学生は非常に多いです。そして、スマホが出たての頃に比べてアプリを購入するなど、オンラインで課金することへの抵抗が(実際にお金を払う、親世代でも)下がっていることも無視できない事実です。

知り合いの高校生と食事に行ってもずーっとスマホを触っていて、「あー、これが新人類か(古いw)」と思うような事が度々ありました。知り合いにmana.boの事を話しても、スマホの狭い画面で授業なんてできるの?みたいな反応が多いのですが、私は「新人類向けのサービスだから、俺らみたいなオッサンには理解できんよ(笑)」と話しています。

・スマホが高校生に、爆発的に普及している

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総務省が発表した「平成25年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等(平成25年6月から7月にかけて、全国24の公立・私立の高等学校等において、約3500名の1年生相当を対象にテストを実施) PDF」によると、スマホ保有者数は昨年度の59%から84%に大幅増加しています。

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また、インターネットに接続する際、最もよく利用する機器としては、スマートフォンが携帯電話とPCのシェアを奪う形で48%から75%へとこちらも大きく他の機器を引き離しています。

高校生のスマホ普及率が伸びているというのは、さまざな事業会社が出している統計データからも明らかで、素人から見ても今日現在その値が減少に転じる気配は全くありません。多くの経営者やビジネスマンは、タブレット端末が来る!と言っていますが、中高生に限って言うとタブレットが直近で爆発的に普及する気配は無く、実際にインタビューをしてもタブレットを所有している中高生は少ないです。

そう考えると、PCやタブレットではなく、スマホというのは直近のターゲットとして間違っていないと確信しています。(資本力のある会社が、タブレット端末をリースにしたり、ハードを配ってコンテンツで稼ぐみたいな普及の仕方はあると思っています)

・ビジネスモデルが単なるコンテンツ配信でない

国内のEduTechというと、その多くが画像や映像によるコンテンツ配信だったり、リッチな自己学習アプリ/サービスだったりするのですが、マナボは「スマホ家庭教師」の名前通り、リアルに人と人が接するサービスです。作りこまれた教材は最初からすべてキッチリとやり込めば学習効果は高いと思いますし、安いコストで良質なコンテンツ/サービスを多くの人に届け、収益を上げるというのは、過去の例を見てもITのビジネスとしては正しいやり方だと思います。

ただ、世の中には私のように不真面目で、勉強中にちょっとボケーとしたり、進路について悩む人もいます。ボケーとしている間に先に進んでしまった動画は自動的には巻き戻ってくれませんし、(現時点では)コンピュータが進路相談に乗ってくれる事もありません。私は、質問したいと思った時に、いつでも人に質問することができるというのは、非常に価値があると考えています。

事実として、すでに一部のチューターに対しては指名での質問投稿がされています。またチューター側も個人の時間を裂いて生徒用の教材を手作りしてきて、前回指導した生徒さんにこれ送ってもらえますか?と言うような人も出てきており、人と人の繋がりを実感できています。

・一部のユーザに熱狂的に愛され、必要とされている

私はこれまで、さまざまなプロダクトを作ってきて、チームのパフォーマンス(モチベーション)が上がる瞬間というのを何回も体験しています。そのなかの一つにユーザからのメールというのがあります。そのサービスがあって、本当に嬉しかったというユーザからの反応は、自分たちのやっていること、進んでいる方向が間違っていないと確信でき、その人がもっと喜ぶには何が必要かとメンバー一人一人が考え、自主的に動き出すことでチームは加速します。

マナボに届いたメールの抜粋

そして私が好きなエンジニアの一人に、ポール・ブッフハイトという人物がおり、「最初はたくさんのユーザにまあまあ気に入られるものを作ろうとするより、少数の人たちが本当に好きになる製品を作ることだ」という彼の言葉があります。彼の名前はソフトウェアエンジニアでも知らない人が多いと思いますが、彼の作ったプロダクトをあなたが知っていて、世界中の人が使用しているという事が、この言葉の重要さを物語っていると思います。

ポール・ブッフハイトは、Gmailを最初に作った人物で、AdSenseのプロトタイプを作り、そして”Don’t be evil(邪悪になるな。悪事を働かなくてもお金は稼げる)”というマントラを生み出したエンジニアです。

マナボの理念【学ぶ仕組みを創り、幸せを促進する】

mana.bo 経営陣
サイバーエージェント・ベンチャーズの投資担当の林口さんと、マナボ経営陣と共に。

■ mana.boはウェブもiOSもAndroidもデザインが、まだまだイケて無いので、手伝ってくれるデザイナーさんを募集中です!フルタイムじゃなくても、ちょろっと手伝ってくれるだけでもすごく助かるので、少しでも興味がある人は私まで facebooktwitter辺りで連絡下さい。オフィスに遊びに行きたいというのも大歓迎です!

マナボに関するリンク(興味がある人はどうぞ!)
【SankeiBiz】先生はスマホ 通信教育・学習塾、コンテンツ不足解消 少子化で生徒獲得激化
【TechCrunch】オンタイム学習プラットフォームのマナボがサイバーエージェント・ベンチャーズなどから3,800万円の資金を調達
【Startup Dating】オンライン学習サービス「mana.bo」が、サイバーエージェント・ベンチャーズらから総額約3800万円の資金調達
日本のEduTech市場で注目を集めている教育系スタートアップ mana.bo
起業のアイデア。1兆円市場を狙う「教育系Webサービス」の課金ビジネスモデル16選
【PRESIDENT】起業家があと1ケタ増えたら、日本の働き方は変わる

スーパービールクズに欠かせないスペシャルグッズ

いつも缶ビール片手にコーディングしているからと、嫁が誕生日プレゼントにくれた缶用のThermosタンブラー。Thermosタンブラーのクオリティは以前ブログに書いたら、噂が噂を呼び20万円以上も売り上げたほど。

そして、このタンブラーもすごく良く出来てる。ちょっと集中すると15分とか30分も放置してしまって、いつもぬるくなっちゃう缶ビールも冷たいままで維持できます!

ぜひスーパービールクズのみなさんどうぞ!(私はAmazonの方のモデルを買いました)

クックパッドに入社しました。


みなさん2011年はどのような年でしたでしょうか?私は30歳を迎え、一区切りがついた一年でした。

一年を振り返ってみると、やはり3月11日の東日本大震災と、その後に開催したHack For Japanが大きく印象に残っています。テレビで報道される津波の映像はものすごいものがあり、改めて津波の恐ろしさを感じました。幸いにして関西はまったくダメージが無かったために、外資系企業を中心に多くの企業が避難してきたり、豊富にある物資がザクザク売れるなど関西圏だけを見ると特需に湧いた事も強く印象に残っています。もちろん、そんな中でもやはり家族や親族が被災したという人も沢山いました。

知り合いで実家が丸ごと流された人もいます。まわりから色んな話を聞く過程で「今、会社が流されたら、うちの会社のビジネス終わるな(データセンター直結のオフィスビルのためデータがほぼロストする)」と真剣に思い、ディザスタリカバリの大切さを感じました。知り合いで、個人の身分証明書や通帳をすべてスキャンしてEvernoteに置いたという人がいますが、震災直後に自分の預貯金の引き出しができなかった人が沢山いるそうなので、個人でもそのようにディザスタリカバリをする必要があるなと感じました。

震災以外の話では、夏と冬に開催したStartup Weekend Kyotoが上手く回りだそうとしているので、主催者としては嬉しい限りです。Startup Weekendに参加して、起業した人が沢山誕生しているのは本当にすごい事だと思います。今まで色んな活動をしてきましたが、新聞やTVに取り上げられる事はあっても、他人に大きく影響を与えているという実感ができたのは初めてかもしれません。

Startup Weekendを通じて、多くのスタートアップに興味がある人たちに出会えたり、世界中の投資家と知り合う事ができたのは、私の貴重な財産となっています。今この世の中にある沢山の問題に対して、さまざまなバックグラウンドを持った人たちが非常にユニークなアプローチを考えだす様子を見聞きする間に、私自身のビジネスに関する考え方とエンジニアとしての考え方に大きな影響を与えてくれました。多くの参加者から、「ものすごく成長できました!」という感想をもらいましたが、一番成長したのは私じゃないかと思うぐらい、本当に沢山の勉強をさせてもらいました。

「Startup Weekendに参加することで、今まではサラリーマンエンジニアとして、マネタイズやマーケティングを気にすることが無かったけど、最近はその部分も考えて口を出すようになった」というエンジニアもいました。「すぐに大金が稼げるサービスではないけど、一つのムーブメントを起こせそうだから、ゆっくり育てていきます」と、会社を辞めずにStartup Weekendで開発したサービスを夜な夜な開発している人もいます。

そういう人たちと話をする事で、自分もより一層頑張りたいと思うようになりました。あまり公にして来ませんでしたが、2011年9月末日で株式会社SOBAプロジェクトの取締役を辞任しました。正確には、任期満了で退任したくて、株主総会での選任を辞退したのですが、少し待って欲しいという事で9月末日のタイミングになりました。

よく、「なんで会社を辞めたんですか?」と聞かれますが、理由は1つだけではありません。本当に沢山の理由が積み重なっての辞任でした。

辞任後は、株式の売却交渉と並行して、新しい会社を作るために、色々準備をしてきました。サービスは近々ローンチできる状態になっているので、またお知らせできるかと思います。起業準備と並行して、タイミング良くある会社に声をかけて頂きました。すでに会社を作る準備をしているという話を伝えた所、先方からは週に2日だけでも来て欲しいという話でしたので、どのように関わるべきか判断するために、その会社の色々な立場の方とお話をさせて頂きました。

2回目の面談時には、「今、参加しないと3年後には私のレベルでは入社が不可能な会社になっている」と判断しました。

その会社は「クックパッド」です。

私は、「多少チューニングしてはいるだろうけど、ホームページ制作会社に毛が生えた程度の会社でしょ?」と思っていて、最初の連絡は無視しようと思っていたのですが、最初に連絡をくれたのが佐々木達也さんで、名前を検索したら見覚えのあるアイコンが出てきました。そのアイコンは、以前ニコニコ生放送で『第6回ドワンゴ技術勉強会 「分散・並列処理・クラウド」』を見た時に、プレゼン資料で見たんですね。Vivaニコ厨

もちろん、クラウドや分散処理にはすごく興味があるので、話だけなら聞きに行ってもいいなと思ったのが、最初です。こんな綺麗なキッチンで作ったご飯を食べながら、色んな話をして行く中で週に2日だけでも来て欲しいという話だったので、「まぁ家賃の足しにはなるか」と考え、それならもうちょっと詳しい話を聞かせて下さいという事になりました。

正直レシピサイトには興味が無かったのですが、儲かっているのは知っているので(32億売り上げて、16億円営業利益が上がっている会社)、次の戦略を教えてもらった所、その中の一つがかなり関心があるテーマだったので、興味がわきました。

最終的に入社を決定したのは、佐野社長にコミュニティについての考え方を聞いた時です。「コミュニティには程よい距離感というのがあるハズで、幾つかの機能はわざと使いにくくしている」(本当はもっと具体的に聞きました)という話をしてもらいました。これは言うのはめちゃくちゃ簡単ですが、実践するのは凄く難しいハズです。

色んな話をクックパッド社内外の人から聞いた最後に、この話を聞いて、この会社は本当に賢い人達が賢くサービスを作っているなと思い、もともとC2Cの世界に興味があったというのもあり、入社を決めました。事前に色んな人にヒアリングしていると、クックパッドの人材はかなり良いという事が分かったのですが、レシピサイトの運営にはオーバースペックな人達が多くて何故だろうという疑問がありましたが、この時に解消しました。

技術部長の話では、かなり採用水準を上げているようで、今後ますます水準を上げていくという話でした。こことかここを読むとその辺りは分かるかな?

クックパッドには、優秀な人がもっともパフォーマンスを出せるようにするという、仕組みがあっちこっちに用意されているようです。この辺りの話はどこまで公開していいのか分からないので、おいおい書いて行きたいと思います。

会社に興味がある人は気軽に連絡下さい。一緒に働きましょう!